ポジティブ・セリング(IFCPS)

最近のITサービス業界は、営業に求められる役割が大きく変わってきているように思います。

一昔前なら、顧客の指示するままに動いてさえいれば、目標とする売り上げや利益を達成できた営業パーソンも多かったでしょう。いわゆる御用聞き営業です。現在でも、競合他社に参入の余地を与えないほど、特定のITサービス企業が顧客企業に強固に食い込んでいるケースなら、御用聞き営業が有効かもしれません。官公庁や地方自治体向けのITサービスは、この御用聞き営業をよく見かける分野の一つでした。

しかし最近は、御用聞き営業の通用しない顧客が増えています。御用聞きの典型といわれていた官公庁ですら、政府がITベンダーの選定プロセスの改革に踏み切るなどの動きが出ています。投資対効果を高めるべく、競争のないまま特定のITベンダーを選定する随意契約の廃止と競争入札を、原則として義務付けたのです。この結果、官公庁でも「顧客の指示を待つITベンダー」より「優れた提案ができるITベンダー」が選ばれるようになってきました。

ポジティブ・セリングはこうした顧客企業の変化に対応し、御用聞きになりがちだった営業現場を改革するための方法論です。出発点こそ官公庁向けですが、顧客の業種や規模を問わず、ITサービスの現場で広く実践できる営業方法論になっています。

ポジティブ・セリングが目指すのは、その名前の通り「ポジティブな営業」です。
ポジティブ・セリングでは、顧客やエンドユーザーの利益に貢献することが、商談の勝率向上に不可欠と考えています。顧客に自社都合の提案をごり押するような活動は、決して「ポジティブな営業」ではありません。

ポジティブ・セリングは、営業戦略の立案と戦略に基づいた営業活動という二つの部分で構成します。戦略立案から営業活動まで全ての営業プロセスを体系化に見直し、改善を図ります。

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